地方大会のある試合での思い出話

更新日:2013年12月22日

青空

※この記事は 野球応援 Advent Calendar 2013の二十二日目となります。

もう十年以上も前に見た、ある試合での思い出話です。

第85回選手権埼玉県大会の3回戦、東農大三対志木戦。

東農大三はブラスバンド、チアリーダー、野球部員と勢揃いし充実した応援体制、一方の志木は応援団らしきものは見当たらず、スタンドにはおそらく野球部の友人たちと思しき4、5名の一般学生がぱらぱらと目につくばかり。

野球の実力は東農大三が大きく上回り、大勢詰めかけた応援の後押しも受けて自ずと東農大三が場内の空気を一方的に支配していくかと思っていましたが、志木の学生たちは少ない人数ながら団結し、お世辞にもうまいとは言えない適当なエールや口ラッパ応援で自分らなりの存在感を発揮していきます。

普段はいかにもお調子者グループに属する面々という雰囲気でしたが、こういう舞台で友人のために試合に駆けつけ、頼りになるのは彼らのような学生たちなんでしょうね。試合中、自分は志木の応援スタンドの方に目が奪われっぱなしでした。

しかし彼らの応援の甲斐もなく、試合はあっけなく10対0で東農大三がコールド勝ちを決めます。

試合後のエール交換の場面。勝った東農大三の統率の取れたエールを受け、いざ志木の番に。応援団でもない彼らでしたが、一人の学生を中心に不慣れながらありったけの声を挙げてのエールを返してみせました。

そのエールに大きな拍手で応える東農大三応援席。また、その拍手に応えて「お前ら、絶対優勝しろよ!」と志木の学生たち。さらに「お前たち最高だぞ!」と東農大三からの声・・・。

この試合はその日の最終試合で、次の試合の入れ替えで応援席が動くこともなかったので、しばらくそんなお互いのやり取りを眺めながら、球場内の雰囲気に浸っていました。

大人数で湧き上がる応援、ハイレベルなブラスバンドで盛り上げる応援、高校野球の応援にも色々な魅力がありますが、こういうほのぼのした風景も応援の素晴らしさの一つと思わせるとても思い出深い試合です。

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