※この記事は 野球応援 Advent Calendar 2013の二十三日目となります。
2013年、夏の甲子園は、優勝候補が次々と姿を消し、上位校はフレッシュな顔ぶれとなりました。
波乱が多くて面白かった大会という印象があるのではないでしょうか。
前橋育英が初優勝を飾ったこの大会がなぜ面白かったのかをある新指標とともに振り返ってみようと思います。
先日紹介したセンバーメトリクスなるダジャレ指標が応援(チームへの思い)をポイント化したものだとしたら、今回使用する新指標は都道府県や高校がこれまでの大会で築き上げたブランド力をポイント化したものです。
その内容はというと、各都道府県が30年間積み上げた成績(県ポイント=都道府県のブランド力)をベースに、近年(10年分)の甲子園での各高校の実績(高校ポイント=最近各校が積み上げたブランド力)を加味して、総合ポイント(高校のブランド力)にするというもの。
なぜ30年かと言いますと、前回プロ野球選手の出身校都道府県別勝利数の記事を作った際に、ついでに調べた30年間の成績を有効活用できないかと思ったから、ただそれだけです。プロ最年長の山本昌投手が高3の年にあたることから、30年前からの成績を数えてみたわけですが、そういえば、前橋育英の荒井監督は山本投手の1コ上の先輩でしたね。
新指標に話を戻しますと、実績の乏しい県でも、近年素晴らしい実績を残している強豪校があるように、県の力と高校の力が必ずしも一致するとは限りません。実績十分の県でも、常連校と初出場の高校では違いがありますよね。
そこで、初出場校や出場から遠ざかっている高校の場合は、県のブランド力がそのまま総合ポイント(高校のブランド力)とする一方で、過去10年間で甲子園出場経験がある高校については、そのポイントも加えて、総合ポイントとすることにした次第です。ほかにもいくつか、細々と計算しています。では、そろそろ、詳細な計算法を紹介しましょう。
目次
ブランド力ポイント計算法
県ポイント
■春夏計60大会(30年分=2013夏ならば、1983夏、1984春以降)を対象にした都道府県のブランド力ポイント。各代表校のベースとなります。
勝利=1ポイント
優勝+3ポイント(直近10年は+10ポイント)、準優勝+1ポイント(同+5ポイント)
※北海道、東京は夏の大会の勝利数のみ2で割る
また、南北北海道、東西東京はそれぞれ同じポイントにする
高校ポイント
■直近の春夏計20大会(10年分=2013夏ならば2003夏、2004春以降)などを対象にしたポイント。各校の近年の実績、勢いをポイント化しており、つまり、ここ10年で各校が積み上げたブランド力の数値となります。
出場3P、勝利数×5P、優勝+20P、準優勝+10P、ベスト4+5
・連続出場ボーナス
数季連続出場×5P 同一大会連続出場×5P(※Pが多い方を選択)
・直前ボーナス(前季大会のみ対象 2013年夏ならば、2013春が対象)
夏の場合 春優勝+100P 準優勝+50P ベスト4+25P
春の場合 夏優勝+50P 準V+25P ベスト4+12.5
神宮大会出場+7P 優勝+20P 準V+10P
総合ポイント
■県ポイントと高校ポイントを合計したもので、代表校のブランド力をあらわすポイントです。
なお、今回の指標はあくまでも、代表校の大会出場時点での実際の強さをはかる指標ではなく、これまでの実績をもとにブランド力としてあらわしたものです。県名や校名を聞いて、思い浮かべる強さのイメージ、ネームバリューとでも言えばよいでしょうか(←ブランド力という呼び名を使うことがふさわしいかどうかはまたあれですが……)。
そのため、同じ高校でも年によってメンバーが変わって戦力が変動することや、好投手や強打者の存在、2年生中心のチームなどといった事情に関してはほぼ反映しておりません。そもそも、実際の強さに関しては、甲子園で勝ったところがいちばん強いわけですからね。
ただ、ブランド力のある高校は、優勝候補に挙げられやすいという背景はあるかと思います。
なんだかぐだぐだと長くなってしまいましたが、これらのポイントを今年の夏の代表校は大会前にどれぐらい持っていたのか、チマチマと計算し、大会開幕前の時点でのランキング順に並べてみました。
今大会の各校の結果と合わせて、一気に紹介しましょう。
また、大会後のポイント変動も一緒に掲載しています(2013年夏の結果を加え、1983年および2003年夏のポイント、2013年春選抜決勝進出校のボーナスを減算。連続出場のボーナスポイントはそのまま)。
【見方】
総合順位)都道府県・高校/総合ポイント/県ポイント(位)/高校ポイント(位)
2013夏甲子園結果/勝利相手順位/敗戦相手順位
大会後新総合ポイント(位)/新県ポイント(位)/新高校ポイント(位)
※都道府県名および校名の太字は準々決勝進出
総合ポイントが並んだ場合は、高校ポイントの多い方が上位とします。
勝利相手の太字はポイントが上位の相手に勝った場合、敗戦相手の太字はポイントが下位の相手に敗れた場合です。
大会後各ポイントの順位の前にある印は△がアップ、▼がダウン。印なしは順位変動なしです。
ブランド力ポイントランキング 2013夏編
1)大阪・大阪桐蔭/449P/207P(1)/242(1)
3回戦/○24位、36位/●8位
455P(1)/200P(1)/255P(1)
2)西東京・日大三/303P/144P(2)/159(4)
初戦/ー/●42位
303.5P(2)/144.5P(2)/159P(△2)
3)埼玉・浦和学院/296P/79P(9)/217(2)
初戦/ー/●13位
199P(▼8)/79P(9)/120P(▼8)
4)愛媛・済美/288P/103P(6)/185(3)
3回戦/○35位/●18位
246P(4)/103P(△5)/143P(▼5)
5)神奈川・横浜/268P/144P(2)/124P(7)
3回戦/○45位/●40位
271P(△5)/139P(▼3)/132P(△6)
6)愛知・愛工大名電/225P/106P(4)/119P(8)
初戦/ー/●11位
222P(△5)/103P(▼5)/119P(▼9)
7)静岡・常葉菊川/200P/62P(21)/138(6)
3回戦/○39位/●16位
207P(△6)/61P(21)/146P(△4)
8)高知・明徳義塾/197P/78P(12)/119P(8)
ベスト8/○27位、1位/●42位
202P(△7)/78P(△11)/124P(△7)
9)沖縄・沖縄尚学/194P/104P(5)/90P(11)
2回戦/○23位/●38位
194P(9)/104P(△4)/90P(▼14)
10)茨城・常総学院/170P/76P(13)/94P(10)
ベスト8/○17位、13位、20位/●40位
131P(▼16)/72P(14)/59P(▼20)
11)福島・聖光学院/164P/23P(41)/141P(5)
2回戦/○6位/●20位
171P(△10)/22P(▼43)/149P(△3)
12)東東京・修徳/160P/144P(2)/16P(31)
2回戦/○47位/●16位
168.5(△11)/144.5P(2)/24P(△29)
13)宮城・仙台育英/154P/68P(15)/86P(12)
2回戦/○3位/●10位
162P(13)/68P(15)/94P(12)
14)栃木・作新学院 /123P/43P(28)/80P(14)
3回戦/○28位、26位/●42位
137P(14)/44P(▼29)/93P(△13)
15)岐阜・大垣日大/40P(30)/82P(13)/122P
初戦/ー/●39位
122P(▼18)/37P(▼32)/85(▼15)
16)徳島・鳴門/110P/63P(20)/47P(20)/
ベスト8/○43位、12位、7位/●18位
62P(20)/65P(△18)/127P(▼17)
17)南北海道・北照/106P/64P(19)/42P(21)
初戦/ー/●10位
109P(▼20)/64P(△18)/45P(▼24)
18)岩手・花巻東/96P/23P(41)/73P(15)
ベスト4/○46位、4位、16位/●37位
134.5(△15)/26P(△39)/108.5(△10)
19)兵庫・西脇工/96P/96P(7)/0P(39)
2回戦/○41位/●21位
104P(▼21)/96P(7)/8P(39)
20)福井・福井商/95P/36P(32)/59P(17)
3回戦/○32位、11位/●10位
97P(▼25)/38P(△31)/59P(▼20)
21)千葉・木更津総合/95P/66P(17)/29P(22)
3回戦/○48位、19位/●49位
101P(▼22)/67P(△16)/34P(▼25)
22)鹿児島・樟南/95P/76P(13)/19P(29)
2回戦/○31位/●40位
101P(▼23)/77P(△12)/24P(29)
23)京都・福知山成美/94P/65P(18)/29P(22)
初戦/ー/●9位
96P(▼26)/64P(18)/32P(▼26)
24)新潟・日本文理/92P/23P(41)/69P(16)
初戦/ー/●1位
95P(▼27)/23P(▼42)/72P(16)
25)和歌山・箕島/92P/79P(9)/13P(33)
初戦/ー/●36位
93P(▼28)/77P(▼12)/16P(33)
26)熊本・熊本工/89P/36P(32)/53(18)
2回戦/○44位/●14位
36P(▼33)/61P(▼19)/97P(△24)
27)広島・瀬戸内/86P/86P(8)/0P(39)
初戦/ー/●8位
84P(8)/3P(▼43)/87P(▼29)
28)奈良・桜井/79P/79P(9)/0P(39)
初戦/ー/●14位
82P(▼30)/79P(9)/3P(▼43)
29)秋田・秋田商/78P/25P(39)/53P(18)
初戦/ー/●49位
81P(▼31)/25P(▼40)/56P(▼23)
30)福岡・自由ケ丘/76P/68P(15)/8P(34)
初戦/ー/●37位
76P(▼33)/65P(▼17)/11P(▼36)
31)長崎・佐世保実/73P/52P(23)/21P(27)
初戦/ー/●22位
75P(▼34)/51P(▼26)/24P(▼29)
32)北北海道・帯広大谷/64P/64P(19)/0P(39)
初戦/ー/●20位
67P(▼36)/64P(△18)/3P(▼43)
33)山口・岩国商/62P/44P(29)/18P(30)
初戦/ー/●40位
63P(▼38)/42P(▼30)/21P(▼32)
34)岡山・玉野光南/57P/57P(22)/0P(39)
初戦/ー/●38位
59P(▼40)/56P(▼23)/3P(▼43)
35)三重・三重/56P/29P(38)/27P(24)
初戦/ー/●4位
59P(▼39)/29P(38)/30P(▼27)
36)山梨・日川/55P/52P(23)/3P(36)
2回戦/○25位/●1位
64P(▼37)/53P(▼25)/11P(36)
37)宮崎・延岡学園/54P/40P(32)/14P(30)
準優勝/○30位、38位、49位、18位/●40位
120P(△19)/48P(△27)/72P(△16)
38)青森・聖愛/52P/52P(23)/0P(39)
3回戦/○34位、9位/●37位
67P(△35)/54P(▼24)/13P(△34)
39)佐賀・有田工/46P/46P(26)/0P(39)
2回戦/○15位/7位
54P(▼41)/46P(▼28)/8P(39)
40)群馬・前橋育英/45P/42P(29)/3P(36)
優勝/○33位、22位、5位、10位、42位、37位/ー
164P(△12)/58P(△22)/106P(△11)
41)島根・石見智翠館/42P/16P(45)/26P(25)
初戦/ー/●38位
22(▼49)/16P(45)/6(▼41)
42)山形・日大山形/40P/19P(44)/21P(27)
ベスト4/○2位、14位、8位/●40位
78.5P(△32)/22P(△43)/56.5P(△22)
43)石川・星稜/40P/34P(35)/6P(35)
初戦/ー/●16位
43P(△42)/34P(35)/9P(▼38)
44)鳥取・鳥取城北/37P/13P(46)/24P(26)
初戦/ー/●26位
鳥取・鳥取城北/13P(▼46→47)/27P(▼26→28)/40P(△44→43)
45)香川・丸亀/36P/36P(32)/0P(39)
初戦/ー/●5位
39P(△44)/36P(▼33)/3P(▼43)
46)滋賀・彦根東/34P/31P(36)/3P(36)
初戦/ー/●18位
37P(△45)/31P(36)/6P(▼41)
47)大分・大分商/31P/31P(36)/0P(39)
初戦/ー/●12位
33P(△46)/30P(▼37)/3P(▼43)
48)長野・上田西/25P/25P(39)/0P(39)
初戦/ー/●21位
28P(△47)25P(▼40)/3P(▼43)
49)富山・富山第一/12P/12P(47)/0P(39)
ベスト8/○29位、21位/●37位
27(△48)/14P(△46)/13P(△34)
以上が今大会のランキングです。
ここからは、ランキングと結果から見えてくる傾向をまとめてみましょう。
グループわけしてみると
下位チームが奮闘する一方で、上位8校や23位〜35位の高校がふるわなかったわけですが、この傾向をもうちょっと詳細に見てみるために順位ごとにグループ分けして、結果をまとめてみました。
Aグループ(1〜8位)
7勝8敗
初戦敗退3、2回戦敗退1、3回戦敗退3、準々決勝敗退1
Aグループの7勝という数字には物足りなさもありますが、5チームは初戦突破しています。また、初戦敗退3校のうち、日大山形に敗れた日大三以外の2校はBグループとの対戦でもありました。ですから、大会序盤は、ある程度は力を見せていたと言えます。しかし、3回戦で8位の明徳義塾と対決した大阪桐蔭をはじめ、3校が3回戦で敗退。明徳義塾も準々決勝止まりでした。3回戦あたりから一気にどこが勝つのか予測がつかない大会になったのではないでしょうか。
Bグループ(9〜16位)
12勝8敗
初戦敗退1、2回戦敗退4、3回戦敗退1、準々決勝敗退2
Bグループは初戦敗退がもっとも少ない1校のみで、ベスト8には2校が進出。ある程度はブランド力通りの力を見せたと言えそうです。一方で、残っていた2校も準々決勝で敗れたわけですから、Aグループが3校消えた3回戦に続いて、準々決勝でA、Bグループがすべて消え、波乱の展開が印象づけられたと言えそうです。
Cグループ(17〜24位)
9勝8敗
初戦敗退3、2回戦敗退2、3回戦敗退2、準決勝敗退1
Cグループは5校が初戦を突破し、花巻東が準決勝に進出。合計でも勝ち越しており、力通りの戦いをしたと言えそうです。
Dグループ(25〜32位)
1勝8敗
初戦敗退7、2回戦敗退1
Dグループは初戦突破が熊本工業のみという結末でした。前頭上位の力士がなかなか上を倒せない、相撲と似たような展開になりましたね。波乱の多かった大会という印象があるのは、より下位のグループの躍進が大きかったようです。
Eグループ(33〜40位)
14勝7敗
初戦敗退3、2回戦敗退2、3回戦敗退2、準優勝1、優勝1
すべてのグループでもっともよい結果を残したのがこのEグループです。決勝進出の2校がいたのに加え、5校が初戦を突破しました。なお、初戦敗退3校はこのグループの上位である33位〜35位のチームでした。
Fグループ(41位〜49位)
5勝8敗
初戦敗退6、準々決勝敗退1、準決勝敗退1
Fグループは初戦突破が2校のみでしたが、その2校がそろってベスト8以上に進出。勢いを感じさせましたね。
少なかった上位校同士の対決
上位8校のAグループには近年活躍している都道府県の強豪校が名を連ねているわけですが、今大会ではAグループ同士の潰し合いが1試合しかなかったにもかかわらず、ベスト8まで進出した高校は1校のみでした。波乱の多い大会という印象がある理由のひとつではないでしょうか。
また、上位対決について、Bグループを含めた上位16校まで範囲を広げると、以下の4試合がありました。
浦和学院(3位)対仙台育英(13位)
愛工大明電(6位)対聖光学院(11位)
修徳(12位)対鳴門(16位)
大阪桐蔭(1位)対明徳義塾(8位)
ちなみに、いずれも下位チームが勝利しています。
最大の下克上は?
もっとも総合ポイントの差を跳ね返したのは、日大山形。ランク2位の日大三に対して263ポイント差を跳ね返し、しかも快勝というインパクトを残しました。
また、明徳義塾も252ポイント差があった大阪桐蔭に昨年の借りを返して勝利していますが、1位と9位という上位校対決でもありますから、そこまで下克上感はなかったかもしれませんね。
この日大山形と明徳義塾、準々決勝で相見え、日大山形が勝利。157ポイント差を覆しています。
また、優勝した前橋育英も、2年生中心とはいえ、この指標ではランク5位に位置していた横浜との223ポイント差を跳ね返しての快勝。この試合でその強さをさらに印象づけた感じでしたね。
このほかでは、192ポイント差があった済美に勝利した花巻東もいます。
常総学院の悲劇?
Cグループまで(24位まで)の高校で、ランクが自校よりも上位のチームに敗れたのは5校のみ。うち3校が常総学院に敗れており、常総学院の安定感が光りました。その常総学院は優勝した前橋育英に準々決勝で惜敗しましたが、ランキングに違わない見事な戦いを見せてくれたと言えます。
ただ、同校は2003年にダルビッシュが2年だった東北を破って優勝しており、その分のポイントがごっそりなくなったことから、大会後の総合順位を大きく落としてしまいました。
また、同様に2003年にベスト4に進出した石見智翠館(当時は江の川)も、大きく順位を落としてしまっています。
ポイント下位の7チームが大活躍
Eグループ以降(33位以降)のチームで勝ち星を挙げたのは、7校でした。いずれも、自校よりもランク上位に位置する校に勝利を収めています。2013年の夏を盛り上げた立役者は、この7校と言えるのではないでしょうか。
優勝した前橋育英、準優勝の延岡学園はもちろんのこと、2位、14位、8位と立て続けにランク上位校を降した日大山形の活躍が光ります。
日川と有田工も2回戦でAグループのチームを相手に敗れはしましたが、好ゲームを展開しました。初出場ながら2勝を挙げた聖愛も、青森勢は2強だけではないという存在感を示しましたね。
同じく初出場だった富山第一はベスト8入り。開幕前はすべてのポイントで最下位でしたが、堂々とした戦いぶりで、最下位脱出に成功しています。
一方で、鳥取、島根の山陰勢が順位を落としてしまいました。巻き返しに期待したいところです(この指標では、春の選抜の実績がポイントを左右しますので、同地区に強豪県があったり、出場枠が少なかったりすると、なかなか厳しいようではありますが)。
大会後のポイント変動を見てみると
県ポイント
30年分の成績がベースになっているため、大きな変動は起こりにくいのですが、優勝した前橋育英の群馬が7位アップして22位、延岡学園の宮崎が3位アップの27位となりました。また、花巻東の岩手も2位アップして39位に。富山第一の富山も、最下位から1つ順位を上げています。
・高校ポイント、総合ポイント
大会ごとに出場校が変わりますので、高校ポイントと総合ポイントの「順位」に関しては、大会後はあまり意味がないかもしれません。大会前の順位こそ大会を楽しむうえで意味があるというか……。
そのことが前提ではありますが、変動を見てみると、浦和学院と済美は選抜ボーナスポイントを失って大幅にポイントを減らしたため、順位も下がりました。上位校に関しては順位の変化もこの2校に影響されたものという感じですね。
また、聖光学院と花巻東は県ポイントこそ下位ですが、高校ポイントでは上位に位置しており、いずれも大会後の高校&総合ポイントでさらに順位を上げています。県を引っ張る存在という感じで、県ポイントももっと伸びていきそうですね。
また、高校ポイント、総合ポイントともに大幅に順位をあげたのは、やはり大量ポイントを手にした前橋育英と延岡学園。次回出場する際は、ランキング上位校としての戦いになりそうです。
来春の選抜出場校のポイントは?
高校野球では、近年、都道府県ごとの差が以前よりもなくり、勢力図が変わりつつあるとも言われています。今大会はそれを象徴するような大会となったのかもしれませんね。
また、今大会から1試合戦うごとに抽選して相手を決める方式に戻されました。波乱が多かった裏にはもしかしたら、このことも影響していたのかもしれません。
県ポイントがどのように移り変わっていくのか、さらに、今後も波乱が起こり続けるのか……。
新指標の各ポイントも大会ごとに更新しながら、この先の大会に注目していきたいと思います。
今回は、大会が終わってから約4ヶ月過ぎていて、今さらな感じが否めませんでしたので、さっそく、次回のブログで(もしくはいつの日か)、選抜出場校を予想するとともに、出場の可能性がある学校のポイントも計算してみようと思います。
ただ……夏のベスト4チームはいずれも選抜出場が絶望的(つまり、夏に獲得した春に向けての直前ボーナスポイントを失っているわけですね)。
そして、夏春連続出場が確実なのは、地区大会を制し、神宮大会に出場した沖縄尚学(九州優勝/神宮優勝)、日本文理(北信越優勝/神宮準優勝)、三重(東海優勝)のみ。
ボーダーラインまで含めても花巻東(東北ベスト4)、横浜(関東ベスト8)、福知山成美(近畿ベスト8)、明徳義塾(四国ベスト4)だけなんですね。
けっこうな数の計算を強いられそうです……。
まあ、好きでやってることなのではありますが……。
それと最後に、手作業でやってるので、今回の計算が合っているかどうか、不安なことを付け加えておきます。
一部ポイントに誤りがあったため、加筆修正いたしました。(2014.3/30)