2回戦以降、1本も出ていなかったホームランが、
準決勝のあの場面で出るとは……。
しびれましたね。
そんなこんなで、選抜も明日の決勝戦を残すのみ。
明日が楽しみな一方、終わってしまう寂しさもありますね……。
いやいや、選抜が終わっても春季大会があるから大丈夫! という方もいらっしゃるとは思いますが。
さて、決勝は履正社と龍谷大平安の近畿勢対決です。
大阪勢と京都勢が決勝で対決するのは春は初めて。
夏を含めても、戦後初の大会となった昭和21年(1946)年に
浪華商(現・大体大浪商)が京都二中(現・鳥羽)を降して以来、2度目です。
また、1946年の大会は西宮球場で開かれていますから、甲子園球場での決勝対決は初めてとなります。
もっと対決してそうですが、意外ですね。
ちなみに決勝以外も含めると、京都と大阪の対決はこれが春夏通算17回目(春は11回目)。
履正社が福知山成美に勝った準々決勝以来の対決となります。
2日ぶりです……。
4年連続出場ながらもどこか大阪桐蔭の影に隠れている感じだった履正社、
過去37回の出場でベスト4が最高だった龍谷大平安、
両校ともについに壁を乗り越えてきた! という感じでしょうか。
ここらへんは昨年優勝した浦和学院と似たものがあります。
また、両チームとも浦和学院同様に初戦で21世紀枠のチームを破っていますね。
そして、この2校に準決勝で敗れたとはいえ、
初出場ながら強豪県にふさわしい戦いを見せた豊川、
北関東勢の隆盛を昨夏に続いて印象づけた佐野日大も素晴らしいチームでした。
今大会をおおいに盛り上げてくれたと思います。
また、今大会は近畿勢の強打が印象に残りました。
そのなかでも、きっちり点を取る2校が決勝に進んできましたね。
一方で、履正社、龍谷大平安ともに、2008年の東浜(沖縄尚学)、
09年の今村(清峰)、10年の島袋(興南)、11年の藤浪(大阪桐蔭)、
昨年の小島(浦和学院)と近年の選抜優勝校のように絶対的なエースがいるわけではありません。
その分、2枚、3枚と投手を揃えていることが、
日程面も含めて有利に働いたのかもしれませんね。
ただ、将棋の電王戦で勝利した豊島七段のように
両チームが「序盤、中盤、終盤、隙がない」かというと……。
今大会での両チームのイニングごとの得失点データを見つつ、
決勝戦を展望してみましょう。
イニングごとの得失点
履正社
得 失
1回 3 1
2回 9 1
3回 0 5
4回 0 1
5回 0 0
6回 9 0
7回 4 0
8回 3 7
9回 3 0
10回 5 0
計36得点15失点
龍谷大平安
得 失
1回 5 0
2回 4 5
3回 2 1
4回 0 1
5回 5 0
6回 5 1
7回 5 1
8回 10 0
9回 0 0
10回 1 0
計37得点9失点
両校で目を引くのが、攻撃面だと序盤と終盤の爆発力です。
流れを掴むと一気に畳み掛ける力は双方ともに恐ろしいものがありますね。
裏を返せば、主導権を握らせなかったり、ビッグイニングを防いだりすることが必要ですね。
その点で、履正社はビッグイニングを2度作られているのが気になります。
駒大苫小牧戦では3回に先発の溝田投手、豊川戦では8回に2番手の永谷投手が打ち込まれ、
いずれも1イニングに5失点しています。
どうも受けにまわると、脆さが出るというか……。
この事態だけは防ぎたいところですね。
ただ、これさえ気をつければ、
投手の地力では履正社に分があるような気もします。
でも、継投でかわしていくことを考えると、
3枚いる龍谷大平安が有利なんですよね……。
また、履正社がこれまで3〜5回に1点も取っていないのが気になります。
立ち上がりに点を奪っても、
打線が沈黙している間に、流れが相手に行く可能性もありますから。
流れに関しては、両チームともに、流れを奪われたとしても、
不利な局面から流れを引き寄せる粘り、打線の強さがあります。
いずれにせよ、ある程度は流れが行ったり来たりすると予想しています。
大差がついても、終盤まで目が離せななさそうですね。
ちなみに、昨年の秋季近畿大会の準決勝では、
シーソーゲームの末に、11対7で龍谷大平安が履正社に勝っています。
今回も、主導権が何度も移動するなかで、
両投手陣が踏ん張って、いかに失点を防ぐかがポイントになるのではないでしょうか。
ズバリ、失点が少ないほう、あるいは得点が多いほうが勝つと思います!(←当たり前だよ!)