昭和22年の選抜出場校

更新日:2014年3月27日

佳境を迎えている朝ドラ『ごちそうさん』。
そのなかで、主人公の息子達が、
戦後初の選抜大会をなんとか甲子園で開催しようとしています。
薬師丸ひろ子演じる女優の曲が入場行進曲に使われたという
設定だった『あまちゃん』に続いて、
甲子園がストーリーに関わっていますね。
ただ、『ごちそうさん』では『あまちゃん』以上に
ストレートに甲子園が出てくる割には、
実際の甲子園では『あまちゃん』フィーバーが続いているのではありますが……。
いやしかし、視聴率は『ごちそうさん』のほうが高いらしいではないですか。
そんなわけで、あるのかないのかわからない「ごちそうさんバブル」に
便乗して、ドラマのなかでは開催が危ぶまれている
1957年(昭和22年)第19回選抜大会の実際の出場校を調べてみました。
ちなみに会場は前年の夏とは違って、甲子園球場です。

一応、日本の敗戦と同様に史実ですので、
「なんだよ、結局甲子園で開催されたのかよ! ネタバレじゃないか!」なんて
ツッコミはご容赦くださいませ……。
とはいえ、ドラマのなかで選抜開催にこぎ着けるまでの
ストーリーがどうなるのかは注目ですね。

さて、この大会に出場したのは26校。
北海道・東北はゼロ、関東・東京3、北信越1、東海4、近畿10、
中国3、四国2、九州3というひじょうにいびつな構成です。
これは戦前からの特徴だったようですね。
学制改革は翌年ですので、この大会は最後の
選抜中等学校野球大会として行われています。

では、出場26校の顔ぶれと当時の出場回数、
現在の校名(変更になった場合のみ)、
各校の直近の甲子園出場歴を見てみましょう。

第19回選抜中等学校野球大会出場校

桐生中(群馬)[6]
現・桐生
直近の出場:1978年夏

慶応商工(東京)[3]
現・慶応(神奈川)
直近の出場:2009年春

慶応普通部(東京)[初]
現・慶応(神奈川)
直近の出場:2009年春

松本商(長野)[9]
現・松商学園
直近の出場:2008年夏

享栄商(愛知)[5]
現・享栄
直近の出場:2000年春

津島中(愛知)[初]
現・津島
直近の出場:1947年春

富田中(三重)[初]
現・四日市
直近の出場:1967年夏

岐阜商(岐阜)[11]
現・県岐阜商
直近の出場:2013年春

京都二中(京都)[初]
現・鳥羽
直近の出場:2001年春

京都一商(京都)[2]
現・西京
直近の出場:1982年春(当時・西京商)

京都二商(京都)[初]
1948年に西陣商に。同年廃校。
直近の出場:1948年春

今宮中(大阪)[初]
現・今宮
直近の出場:1947年春

天王寺中(大阪)[初]
現・天王寺
直近の出場:1948年夏

明石中(兵庫)[7]
現・明石
直近の出場:1987年夏

神戸一中(兵庫)[3]
現・神戸
直近の出場:1947年夏

田辺中(和歌山)[初]
現・田辺
直近の出場:1995年夏

和歌山中(和歌山) [13]
現・桐蔭
直近の出場:1986年夏

海草中(和歌山)[10]
現・向陽
直近の出場:2010年春

松江中(島根)[初]
現・松江北
直近の出場:2002年春

広島商(広島)[9]
直近の出場:2004年夏

下関商(山口)[7]
直近の出場:2008年春

徳島商(徳島)[5]
直近の出場:2011年夏

城東中(高知)[初]
現・追手前
直近の出場:1947年春

小倉中(福岡)[初]
現・小倉
直近の出場:1978年春

中学済々黌(熊本)[初]
現・済々黌
直近の出場:2013年春

熊本商(熊本)[3]
直近の出場:1960年夏

優勝は徳島商

決勝戦では延長13回の末に徳島商が小倉(小倉中)を3対1で破り、初優勝を成し遂げました。
徳島商はこれまでに夏23回、春19回出場していますが、
優勝したのは、後にも先にもこの1回だけというのは意外ですね。
また、学制改革や統廃合の影響で校名が変わっている学校も多いですね。
たとえば、慶応普通部と慶応商工はこの翌年に
それぞれ慶応一、慶応二に校名変更したあと、1949年には統合して慶応高校に。
同年に東京から神奈川へ移転したようです。
ほかには、歴史が一度途絶えたものの、流れを汲んでいるとして、
当時の記録を引き継いでいる学校もあるようです。

初出場が半数近く

この大会は、26校のうち、実に12校が初出場でした。
このうち四日市(富田中)は、選抜こそこの大会を最後に出場していませんが、
1955年夏には全国制覇を達成しています。
また、徳島商に決勝で敗れた小倉もそれまでに夏の出場は
2度ありましたが、選抜はこれが初出場でした。
同校はこの年、夏の甲子園で見事に優勝、
さらに翌夏も制して連覇を達成しています。
また、同じ九州の済々黌(中学済々黌)も初出場でした。
こちらは、1958年春に全国制覇を達成。
また、昨春の活躍も記憶に新しいですね。

21世紀枠で復活!?

26校のうち、商業系の高校をはじめ、
現在も割と各県の強豪として知られているチームがある一方で、
甲子園から遠ざかっているチームも少なくありません。
これらのチームが秋季大会で上位進出した場合、
21世紀枠での登場もあり得るのではないでしょうか。
すでに、向陽(海草中)と松江北(松江中)は
21世紀枠で選抜出場を果たしています。
なかでも松江北は、この戦後初の選抜大会だった
1947年春以来の甲子園出場でした。
昨秋の四国大会に進出した追手前(城東中)や、
甲子園を沸かせた「桐蔭」の元祖的存在でもあり、
県内のライバル古豪2校が21世紀枠で復活している桐蔭(和歌山中)、
過去に県推薦された経験がある愛知の津島(津島中)などに期待したいですね。

以上、ダラダラと書いてしまいました。
気がつけば朝の5時前。
明日の『ごちそうさん』までに起きることができるのか、ひじょうに不安です。
ドラマは見逃しても、最低でも第1試合までには起きなければ!
やっぱり、筋書きのないドラマはいいですもんね。

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