初出場校が長期間出ていない王

更新日:2014年7月24日

23日は4つの地区で代表が決定しました。
秋田からは角館が初めての甲子園を掴んでいます。
東北の地理に疎いのでよくわからないのですが、
県南部からの出場は実に45年ぶりだそうです。
また、同校は夏の大会の優勝は2度目ですが、
1946年の初優勝時は奥羽大会で敗れ、甲子園出場を逃したようです。
歴史を感じますね……。

角館は、今春の選抜に向けて、秋田県の21世紀枠推薦校となっていました。
東北地区の推薦も勝ち取りましたが、惜しくも選抜出場はならず。
夏に実力で甲子園への切符を勝ち取ったわけですね。
他の都府県でも角館のように21世紀枠の推薦を受けていたチームが、
ちらほら勝ち残っています。
一般枠で選抜出場した池田や
東京から初めて21世紀枠に選出された小山台など。
何校が夏の出場を決めるか注目したいところです。
なお、昨年は有田工1校、一昨年はゼロでした。

ところで、秋田は49地区のなかで、
もっとも長い間初出場校が出ていない地区、
名付けて「初出場校が長期間出ていない王」でした。
秋田から初出場校が出るのは29年ぶりとなります。
1985年、KKコンビが有終の美を飾った年に
能代商が初出場して以来なんですね。
能代商は現在の能代松陽。
角館が決勝で破ったチームです。

この「初出場校が長期間出ていない王」のタイトルは
昨年秋田に移ったばかりで、
それまでは奈良が44年間初出場なしというぶっちぎりの記録を持続していました。
昨年、桜井が1968年の智弁学園以来の初出場を決めて記録がようやくストップしたわけです。

ただ、奈良と秋田には違いがあります。
奈良の場合、1968年から2012年の間に
出場したチームは4校のみで、
しかも天理、智弁学園、郡山以外では、
御所工(現・御所実)が1969年に出ただけという
脅威の寡占状態でした。
一方の秋田は、1985年から2013年までに8校が出場。
秋田経法大付(現・明桜)や秋田商、能代商(能代松陽)などが
連覇をしていますが、奈良と比べると割と流動的と言えます。

そして、角館の優勝により、
「初出場校が長期間出ていない王」のタイトルは、
1994年以来出ていない
福井(敦賀気比が最後)と高知(宿毛が最後)の2県に移動しました。
今年の参加チームが30(福井)、31(高知)と
全国有数の少数精鋭地区なこの2県、
94年以降、いずれも4校しか夏の甲子園に出場していません。
福井は敦賀、高知は宿毛が1度出場した以外は
福井商、福井工大福井、敦賀気比と
明徳義塾、高知、高知商の各3強が独占しており、
奈良と似たタイプと言えます。
はたして、いずれかの県で今年初出場を達成するチームが現れるのでしょうか。

23日時点で、福井は2回戦途中まで進んで12チームが残っており、
高知は8強が出揃っています。

まず、出場経験校が10校ある福井。
こちらは春季大会を制した春江工・坂井が初出場最有力だったようですが、
2回戦で同じく初出場を目指す啓新に延長サヨナラ負けを喫しました。
創部3年目の啓新を率いるのは、東海大甲府を春夏3度ベスト4に導いた大八木監督。
準々決勝では2度の出場経験がある北陸との対戦が決まっています。
果たして、台風の目となるでしょうか。

また、啓新を含めて7校の未出場校が勝ち残っていて、
春季4強の高志がいるゾーンはベスト16の時点で
未出場校だけが残っており、1校は4強へ進出することが確定しています。

3強はいずれも勝ち残っており、
福井工大福井と福井商は準々決勝で対戦。
勝者が高志のゾーンの勝者と準決勝であたります。
また、3強の残り1校、敦賀気比は勝ち上がれば、
啓新と北陸の勝者と準決勝を戦うことになります。

とにもかくにも、福井大会の場合、
まだまだ序盤戦すぎて、
なんとも予測がつかないですね!

続いて、夏は7校が出場経験のある高知。
こちらは24日から準々決勝が始まりますが、
出場経験校は5チームがベスト8に残っています。
つまり、未出場校は3チーム。
まず、準々決勝で高知商に挑むのが、
2007年に創部され、地域のバックアップを受けて躍進中の梼原。
室戸を選抜に導いた横川監督が昨春から指導していて、
今後が注目されているチームです。
この試合の勝者は、準決勝で明徳義塾と土佐の勝者と対戦します。

そして、準々決勝で直接対決するのは、
近年安定した成績を残していて、
初出場にもっとも近い存在と言える岡豊と高知中央。
岡豊は伊野商優勝時の山中監督が長年指揮をとっており、
シード校の高知中央は元関西の角田監督のあとをうけて、
明徳義塾OBの重兼監督が率いています。
この対決の勝者が勢いにのって
「3強を脅かす存在」からもう一段上のポジションへ
駆け上がることができるか、見ものです。
なお、この勝者は準決勝で高知と宿毛の勝者とあたることになります。

とにもかくにも、高知大会の場合、
3強のうち1強が頭ひとつ抜け出しているのではありますが……。

そして、「初出場校が長期間出ていない王」よりも、
もっと的確な言葉があるようにも思っているのではありますが……。

ちなみに、福井と高知からも初出場が出た場合、
「初出場校が長期間出ていない王」は西東京(1996年の東海大菅生が最後)に移動します。

そんな西東京の現在の状況は……ベスト4が出揃ったところで、
残念ながら(?)今年初出場が出る可能性は消滅しています。

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